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働きがいを高めるワークプレイスが組織の生産性向上に寄与 – 「オフィスワーカーの働き方に関する市場調査2025」からの考察 –

株式会社フロンティアコンサルティング(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川原 邦章、以下当社)は、〈働く人と働く場所〉に関する定量情報を2022年より継続収集しており、「オフィスワーカーの働き方に関する市場調査2025」(2024年実施)から、「働きがいと生産性」「働きがいとオフィス」の関係について、調査対象(N=2000名)の中から「コンシャスワーカー」(*1)に該当する943名のオフィス(働く環境)に関する嗜好を分析した結果、働きがいを高めるワークプレイスが組織の生産性向上に寄与すると考察しました。

まず、コンシャスワーカーは、〈ミッション・ビジョン・バリューへの共感〉〈仕事に対する前向きな姿勢〉〈自己成長志向〉といった仕事の質向上や、〈活躍人材としての自身の定着〉〈転職者に対する所属組織の理解促進〉といった人材確保につながる数値が高く、生産性向上に貢献すると言えます。さらに、〈心身の不調によるパフォーマンス低下〉〈心理的ストレス〉に関する数値は低く、組織が保持する本来の生産性を維持する存在として機能します。

次に、コンシャスワーカーは、リアルなオフィスをチームワークの場として捉え、テレワークを選択できる余地がありつつも、一定頻度の出社が可能な状態を好むことが分かりました。チームメンバー同士の相互協力や関係強化の場を構築できる機能、柔軟な働き方を実現できる制度を整えることが、コンシャスワーカーに好影響を与えると考えられます。

なお、現在の勤務先におけるオフィス環境構築への投資状況の調査により判明した、自社のオフィス投資が積極的と回答したワーカーほど、オフィスの機能充足評価や働きやすさを高く評価していることは、積極的なオフィス投資が機能評価や働きやすさを高める証左です。

働きがいを高める積極的なオフィス投資や柔軟な働き方を実現する制度は、コンシャスワーカーの評価を獲得することから、組織の生産性に好影響を与えることが示唆されます。当社は、「オフィス=コスト削減の対象」ではなく、ワーカーや組織の生産性を支える「投資対象」と捉える経営視点が肝要と考えます。

(*1)働きがい(自己実現と貢献実感)を意識した働き方を「コンシャスワーク」、働きがいを意識するワーカーを「コンシャスワーカー」と2023年に当社が定義。本調査では、より狭義な意味として「貢献」の実感度と志向度が共に高いワーカーに限り「コンシャスワーカー」としている。

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