V I E W

株式会社コドモン

ワークプレイス構築

プロジェクトマネジメント / 設計・デザイン / 施工

WORK PLACE

1,148㎡ /347坪

“大人が遊ぶ積木”をコンセプトとした、手触り感と愛着を感じるワークプレイス

保育・教育施設向けICTサービスを展開する株式会社コドモン様の本社移転に際し、企画立案からプロジェクトマネジメント、設計、施工までを一貫して担当しました。温もりや遊び心を空間に落とし込み、自然なコミュニケーションが生まれる、出社したくなるオフィスを目指しました。

CONCEPT

「大人が遊ぶ積木」をコンセプトに、手触り感や愛着を感じられる空間を目指しました。子どもが積木で遊ぶときの発想の自由さや楽しさに、秩序ある構成という大人の視点を加えることで、軽やかさと落ち着きが共存する空間へと昇華。他拠点や旧オフィスでも親しまれていた“積木”のモチーフを継承しながら、長く愛されるオフィスとなることを意識しました。

PLANNING

エントランスから視線が自然と眺望の良い方向へ抜けるよう、オープンスペースのレイアウト軸を45度ずらして設計。来客動線はオープンスペースを一周するよう設け、空間全体を回遊しながらコドモン様らしさを体感できる仕掛けとしました。執務エリアは、部署ごとに集まって働く“HOME”と、その周囲に縁側のように繋がる開かれたスペース“ENN”で構成。グループアドレスとフリーアドレス席を融合させ、効率性と偶発的なコミュニケーションが共存する空間を計画しました。

DESIGN

コンセプトは素材、収まり、什器、グラフィック、サイン、ディテールにまで一貫して展開しました。450mmモジュールで構成された積木状ユニットの什器はオフィス全体に配置され、自由で遊び心のある雰囲気を醸成。素材にはチップを圧縮成形したOSB合板を採用し、素朴で温かみのある質感が空間に親しみと豊かさを与えています。さらに、エントランスやオープンスペースには明るい色調を、執務エリアには穏やかなトーンを用い、用途に応じた空間演出を図りました。

来訪者を出迎えるエントランスは、全面ガラスのデザインで、自然光と眺望を取り込みます。空間の明るさと心地よい抜け感が印象を彩ります。受付台と待合ソファには、コンセプトである「積木」を強調した特徴的なデザインを採用。素材には、木質繊維を使用したサステナブルなOSB合板を用いています。

 

“大人が遊ぶ積み木”のコンセプトを空間に展開。450mmモジュールで統一した積木状のユニット什器が、空間に自由さと遊び心をもたらします。手触り感のある印象的なデザインが、空間に個性を添えています。

 

社内外の来訪者が集まり共創するオープンスペース。カフェや芝生エリア、スタジオ、ストアを回遊しながら、コドモン様らしい空気感を楽しめます。

床材を切り替えることで、積木モチーフのプランターベースを移動した後も、元の位置がひと目で分かるデザインとしました。空間に柔軟性を持たせつつ、デザインの一貫性を保つ工夫です。

オープンスペースの中央に位置するカフェは、社員の方々が自然と集まり、会話が生まれる場となっています。

 

2面のガラス窓に囲まれた角スペースに設けた芝生エリアは、豊かな採光と開放的な眺望が魅力です。完成後は社員の憩いの場として早くも親しまれ、リラックスできる空間となっています。

 

配信スタジオを兼ねる会議室。配信時の背景に使いやすいよう、左壁に積木のグラフィックを施し、ランダムな形・サイズで賑やかな雰囲気を演出しています。

コドモンストアは、取り扱う商品を展示する場としてブランドの“らしさ”を伝え、来客のお見送りスポットとしても機能しています。

積木を思わせる目地を意図的に設け、空間全体を統一感のあるデザインに仕上げています。

執務エリアとの仕切りとなるガラスには、積木モチーフのグラフィックとともに、コドモン様のミッ ション・ビジョン・行動指針を視覚的に表現しました。ブランドメッセージを自然に伝えながら、視線を程よく 遮り、執務エリアのセキュリティやプライバシーにも配慮しています。

 

執務空間にも”大人が遊ぶ積木”のコンセプトを展開しました。平面計画では、“HOME + ENN”のユニットを入れ子状に配置することで、多様な働き方や過ごし方に対応できる執務空間を実現しています。

 

執務エリアに設置した積木状ユニットの什器で構成されたENNは、アイコニックなスペースであると同時に、人と人とのつながりを生むきっかけとなる場として機能します。

動線上に配置した積木状ユニット什器ENNは、さっと話せる相談や軽い打ち合わせに便利な場となっています。

中央の造作フリーアドレスデスクには植栽帯を設け、自然を感じながら、気分を切り替えて働くことができます。

会議室裏に設けたオープンMTGスペースには、可動式の什器やホワイトボードを備え、人数や用途に応じて柔軟に活用可能。複数人でのアイデア出しや簡易ミーティングの場として機能します。

会議室サインは用途に合わせた名称とロゴを積木モチーフでデザインし、覚えやすく親しみを感じられるデザインとしました。

 

#3 gallery会議室では、これまでのオフィス空間の写真をギャラリーウォールとして展示。企業の歩みを伝えるとともに、訪れた人との自然な会話のきっかけとなることを意図しています。

LAUNCH

完成後は、自然と会話が生まれる開放感や、コドモン様らしい遊び心が感じられる場になったと、お客様から好評をいただきました。愛着と機能性を兼ね備えた空間設計により、社員が自発的に集まりたくなる雰囲気を育みつつ、来訪者にも企業価値や魅力を伝える場として育っていくことを期待しています。

PROJECT FLOW
  • 要件整理

    働き方が変化する中、既存オフィスでは業務効率やコミュニケーション面で課題が顕在化していました。社員が快適かつ柔軟に働ける環境を目指し、収納や座席の機能性向上に加え、会議室の拡充や自然な交流が生まれるワークプレイスを構想しました。

  • 概念設計

    旧オフィスや他拠点でも親しまれてきた“積木”モチーフを継承し、新オフィスではその発展形として「大人が遊ぶ積木」をコンセプトに設定。コミュニケーションの活性化、拠点間の一体感、企業文化の浸透を促す空間を目指しました。

  • 基本計画

    来客対応も行うオープンスペースは、眺望の良い北側に配置。カフェや芝生スペースなど機能性と快適性を両立させ、企業らしさを感じられる設計に。執務エリアには多様なシーティングとフリーアドレス席を導入し、柔軟な働き方を支えるレイアウトを実現しました。

  • 実施設計

    450mmモジュールの積木状ユニットを用いた造作什器で空間を構成。目地の意図的な配置や天井グリッドとの整合など、細部にまでこだわることで、デザインの一貫性を高め、コンセプトの浸透を図りました。

  • コスト調整

    実施段階に向けたコスト調整では、既存家具を積極的に活用することで、コストの最適化を図りました。

  • 運用支援

    新オフィスへの期待感を高め、スムーズな移行を支援するため、社内報を制作。プロジェクトの背景や進捗を共有し、不安の軽減と関心の促進を図りました。プロセスへの参加意識を育むことで、完成後の空間に対する理解と愛着の醸成につなげました。

PROJECT DATA

Client: 株式会社コドモン
Project: 株式会社コドモン本社移転
Business: ワークプレイス構築
Role: プロジェクトマネジメント / 設計・デザイン / 施工
Completion Date: 2025.03
Size: 1,148㎡ /347坪
Location: 東京都品川区
Category: 保育・教育施設向けICTサービス

CREDIT
企画立案

株式会社フロンティアコンサルティング

プロジェクトマネジメント

株式会社フロンティアコンサルティング

設計・デザイン

株式会社フロンティアコンサルティング

施工

株式会社大林組/株式会社フロンティアコンサルティング

撮影

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