V I E W
BACK

生産性の高いワーカーにとって、オフィスは企業の魅力を伝える採用ツールとして有効 -「オフィスワーカーの働き方に関する市場調査2025」からの考察②‐

株式会社フロンティアコンサルティング(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川原 邦章、以下当社)は、〈働く人と働く場所〉に関する定量情報を2022年より継続収集しており、「オフィスワーカーの働き方に関する市場調査2025」(2024年実施・調査対象:N=2000名)から、「採用活動におけるオフィスの重要性」について、「コンシャスワーカー」(*1)に該当する943名を比較基準に、オフィスへの環境投資と採用効果の関係を分析した結果、「生産性の高いワーカーほどオフィス見学を希望する」「オフィス見学を通じて企業情報を収集する」の2点から、生産性の高いワーカーにとって、オフィスは企業の魅力を伝える採用ツールとして有効であると考察しました。

企業の選考プロセスにおけるオフィス見学については、全世代の約6割が「応募企業のオフィス見学を希望」と回答しました。特に、仕事を通じた貢献実感や志向性が高い「実感志向型」(生産性の高いワーカー)ほど、オフィス見学への希望度が高いことが判明しました。これは、生産性の高い人材ほど、文字情報だけではなく、実際の〈場〉を通じて等身大の企業を確認したい意欲が高いことを示唆します 。その〈場〉から得ようする情報を分析したところ、「福利厚生の充実度」「働き方の柔軟度」「企業文化や社風」が上位に挙がり、求職者は求人票や面接といった言葉による説明だけでは実感が難しい情報をオフィスという物理的な環境を通じて、〈その企業が本当に社員を大切にしているのか〉〈柔軟な働き方が浸透しているのか〉といった実態を確かめようとしていると考えられます。

なお、現役ワーカーが転職時に企業を選択する際に重視する項目として上位を占める、「給料や賞与の高さ」「福利厚生の充実度」「企業の安定性や持続性」「企業の将来性や成長性」「働き方の柔軟度」「立地・通勤の利便性」は、共通して重視される基盤的な要素であり、企業が人材を確保するための必須条件と言えますが、中でも実感志向型は、「理念やビジョンへの共感度」「企業活動の社会貢献性」「自身の活躍可能性」をより強く重視する傾向が見られました。

オフィス見学の実施は、生産性の高いワーカーやその予備軍に対する魅力づけに有効である一方で、その機会を設けない場合、自社の魅力を十分に伝えきれず、実感志向型人材の採用機会を損失する可能性があります。当社は、「オフィス=コスト削減の対象」ではなく、働き方や企業の文化を雄弁に語る〈媒体〉であり、ワーカーや組織の生産性を支える「投資対象」と捉える経営視点が肝要であると改めて考えます。

(*1)働きがい(自己実現と貢献実感)を意識した働き方を「コンシャスワーク」、働きがいを意識するワーカーを「コンシャスワーカー」と2023年に当社が定義。本調査では、より狭義な意味として「貢献」の実感度と志向度が共に高いワーカーに限り「コンシャスワーカー」としている。

■参考プレスリリース(2025年5月7日発表)
働きがいを高めるワークプレイスが組織の生産性向上に寄与
-「オフィスワーカーの働き方に関する市場調査2025」からの考察-
https://www.frontierconsul.net/news/8400/

LATEST