V I E W

Crobis秋葉原

ビルリニューアル事業

プロジェクトマネジメント / 設計・デザイン / 施工

BUILDING RENEWAL

625㎡ / 189坪

地下から屋上まで、用途とデザインを再構築。築古ビルの階層横断リノベーション

築30年超のビルにおいて、多用途・多層的な再構築を図るフルリニューアルを実施。地下にはギャラリー機能を備えた駐輪場、地下・1階には飲食店想定のスケルトン区画、6・8階にはセットアップオフィス、屋上には共用ラウンジを計画しました。外壁改修やフロントサッシの新設などの外装工事に加え、法的整理を伴う設計・施工を通じて遵法性を確保。気品ある空間設計により、収益性と不動産価値の最大化を実現しました。

CONCEPT

周辺物件との差別化と高い賃料設定に応えうる空間価値の創出を目指し、「Quiet Luxury」をコンセプトに策定。控えめながらも品格が漂う空気感と、素材の魅力を引き立てる繊細な設えにより、訪れる人に静けさと安心感をもたらす空間を創出しました。業種を問わず多様なテナントに訴求できる、落ち着いた洗練性を備えた空間は、エリア内での競争力を一層際立たせています。

PLANNING

来訪者の動線や視線の流れに着目し、空間の場面がゆるやかに移り変わることで、奥行きや余韻を感じさせる体験を設計。EVホールから共用部、専有部へ至る動線上では、照明の色温度を段階的に調整し、空間のリズムと深みを演出して印象的な場面展開を実現しました。さらに、用途変更や既存不適合是正といった法的課題には、民間の指定確認検査機関との事前協議を通じて対応。法的要件をクリアしながら、機能性と意匠性を両立した最適なレイアウトを構築しています。

DESIGN

気品と高級感を演出するため、ブロンズ調と落ち着いた柄の石目マテリアルを基調に、シルバー系の金属素材をアクセントとして採用。落ち着いた素材感の中に程よいコントラストを加えることで、空間にリズムと洗練をもたらしました。黒を基調とした既存外観の落ち着いた印象を踏襲しつつ、端正で洗練された設計により、幅広い業種のテナントに受け入れられる普遍的なデザインを実現しました。

落ち着きのある既存の外観を継承しながら、幅広い利用者に寄り添う洗練されたファサードへ。色調と素材に細やかに配慮し、気品と高級感を感じさせる佇まいを意識しました。

多様な業種のテナントが入居する可能性を見据え、外観照明には高めの色温度を採用。白色系の光がもたらす中立的で洗練された印象により、いかなる用途でも外観との調和が図れる設計としました。

エントランスホール。共有部から専有部へ向かう動線では、安らぎと静穏さを演出するため、色温度を低く、温かみのある色調に調整しました。

 

EVホールにあるPS点検扉は隠し丁番を使用し、石目調の目透し張り壁面に溶け込ませ、視覚的に雑多な印象を避け、清潔感を保つよう配慮。天井高を空間ごとの属性に応じて変化させ、そこで過ごす人々の快適性と意識に寄与する空間設計を行いました。

 

6階ラウンジ。浮遊感のある球体照明とアイアンの曲線が織りなす柔らかな光が、グリーンと調和し、穏やかでくつろげるラウンジ空間を演出。

 

6階セットアップオフィス。スケルトン天井が生む抜け感と、落ち着いたトーンで統一された空間が、洗練されたワークシーンを演出します。

 

6階ミーティングスペース。

 

8階ラウンジ。

 

8階セットアップオフィス。

 

8階ミーティングスペース。

8階テナント専用の屋上ラウンジ。ゆったりとした家具を配し、プライベート性と開放感を両立した、上質なリフレッシュ空間を演出しています。

ギャラリー機能を持たせた駐輪場。あえて既存の構造を残した無骨な空間に、シャープなライン照明を浮かべるように配し、照度を抑えることでアート作品への集中を促す、静謐で緊張感のある空間に仕上げました。

 

LAUNCH

複数用途を内包する本プロジェクトにおいては、⺠間の指定確認検査機関と協議を進めながら改修計画を立案し、各種順守すべき法規を弾力的に解釈・運用することで、既存不適合・違法状態を是正しながら、建物が持つ価値を最大限に発揮させる計画としました。竣工直後には6・8階のセットアップオフィスが成約し、早期リーシングに寄与。お客様社内でも高評価を得るプロジェクトとなりました。

PROJECT FLOW
  • 要件整理

    築古ビルの用途転換による高収益化という構想を受け、計画初期から法的観点を含めて空間全体を整理。現実的かつ価値最大化につながる改修方針を検討しました。

  • 基本計画

    共用部から専有部へと視線や動線が自然に導かれるよう計画。照明やマテリアルの切り替えによって、空間のリズムや奥行きを演出し、訪れる人に印象深い体験を提供する構成としました。

  • 実施設計

    現行法を踏まえたレイアウトを軸に、意匠と機能の両立を図った内装設計を構築。グレースケールの既存外観の印象を活かしながら、幅広い業種に対応可能な、端正かつ普遍的なデザインを実現しました。

  • 環境構築

    建物の現況を踏まえ、民間の指定確認検査機関と初期段階から綿密な協議を実施。容積率や用途の運用に柔軟性を持たせることで、現行法に整合した形で建物のポテンシャルを最大限引き出す計画を実現しました。

  • コスト調整

    市場調査に加え、弊社施工の別物件をご覧いただくことでグレード感と予算のすり合わせを実施。VE提案や各所工法検討における柔軟な金額調整に加え、対面での検討を通じて、より現実的なコスト設計を実現しました。

PROJECT DATA

Client: 東京建物不動産販売株式会社
Project: Crobis秋葉原
Business: ビル資産価値の再構築
Role: プロジェクトマネジメント / 設計・デザイン / 施工
Completion Date: 2024/12
Size: 625㎡ / 189坪
Location: 東京都台東区
Category: PR

CREDIT
企画立案

東京建物不動産販売株式会社

プロジェクトマネジメント

株式会社フロンティアコンサルティング

設計・デザイン

株式会社フロンティアコンサルティング

施工

株式会社フロンティアコンサルティング

遵法性検証

株式会社 オー・ディー・ビー +SBIアーキクオリティ株式会社/ 株式会社フロンティアコンサルティング

撮影

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