名鉄都市開発株式会社
設計・デザイン / 施工
1,565㎡ / 176坪

喫茶文化が育むワークプレイス
名鉄都市開発株式会社様の東京オフィス移転に伴い、名古屋らしさを出発点とした、「喫茶文化を感じる、話しやすい空間」をコンセプトに、ワークプレイスを構築しました。人と人との自然な会話が生まれる場をつくることで、社員のエンゲージメントを高めるとともに、来訪者に企業への親しみやファン意識を育んでもらえる空間を目指しました。
CONCEPT
名古屋らしさをキーワードに、喫茶店のような落ち着きと、人との会話が自然に生まれる心地よい距離感をオフィスに反映しました。来訪者には常連のような親しみを、社員にはリラックスしながら自然と会話ができる空間を提供することで、エンゲージメントの向上を図りました。また、窓からの眺望や東京・丸の内の街並みに通じるデザインを随所に取り入れ、「まちをつくる会社」としてのブランドらしさを空間に投影しています。
PLANNING
喫茶店の奥へと惹きこんでいく空間構成をヒントに、エントランスからラウンジへと自然に導くようなゾーニングを計画。ラウンジはあえてエントランスの奥に配置し、来訪者にその先の広がりを想起させる構成としました。執務エリアには、ソファ席や窓際のテーブルなど、会話や相談がしやすい場を設けつつ、集中できる作業エリアとのバランスも確保。働き方やシーンに応じて柔軟に対応できる空間を目指しました。
DESIGN
素材選定から照明計画に至るまで、空間全体に喫茶店のような心地よさを丁寧に落とし込みました。木目やタイルカーペットによる温かみ、陰影のある照明による柔らかな空間演出により、ラウンジとワークエリアを自然に繋ぎ、一体感のある設計を実現しています。また、会議室には名古屋鉄道や地域の地産材にちなんだアートを取り入れ、地域性や企業のルーツをさりげなく表現しました。
「まちをつくる」企業であるお客様の取り組みと、東京・丸の内の街づくりの在り方を重ね合わせ、その風景をオフィス空間に取り込む設計としました。丸の内の街並みを想起させる煉瓦や、歩道のような凹凸のあるタイルを取り入れ、来訪者に信頼感を与える設えとしています。また、丸の内仲通りの賑わいや植栽に着想を得て、木目や緑を随所に配することで、人が自然と集まる、温もりのある空間を演出しました。
エントランスの先に広がるラウンジ・パブリックスペースは、木目や植栽、丸型の照明などを組み合わせ、自然に包まれるような居心地の良さを演出。外部との交流を促しながら、どこか落ち着きを感じる喫茶店のような空間に仕上げました。
リフレッシュエリアには、こもり感のあるソファ席や、顔を合わせやすいビッグテーブルなど、多様なシーティングを配置。日常的な会話から部署を越えた交流まで、さまざまなつながりを生む場となっています。
執務エリアには、グループワークから個人作業まで、多様な働き方に対応するシーティングを配置。デスクのレイアウトにより、視線や席のつながりを緩やかに調整し、集中と協働のバランスを図っています。
マテリアルには、落ち着いた印象を与える木目やタイルカーペットを選定。陰影のある照明をアクセントとして取り入れました。ワークエリアにおいても、喫茶店のような優しい灯りの温かみを加え、喫茶ラウンジとの空間的な連続性を持たせています。
会議室・応接室には、名古屋鉄道の通る駅をテーマにアートワークを展開。名古屋の地産材を用いるなど、機能性とデザイン性の両面から“名古屋らしさ=企業らしさ”を表現しています。
犬山城の軒丸瓦を想起させるアートワーク。実際に瓦工場でつくられた「円瓦」タイルを用い、象徴的なデザインに仕上げました。
日本三大和紙の一つ・美濃和紙を使ったパネルアートを展示。繊維の色や風合いが異なる3種類の和紙を組み合わせ、豊かな表情を表現しています。
焼き物の街・瀬戸の工房で職人が手仕事で仕上げたタイルを壁面に使用。独特の凹凸が釉薬の揺らぎを引き立て、空間全体にやさしく静かな表情を与えています。
日本遺産にも認定された日本六古窯の1つである常滑焼。市内のタイル工場で発生した廃材を再利用し、地域資源を活かしたアートに昇華しました。
LAUNCH
「まちをつくる」企業であるお客様ならではの空間づくりへの理解もあり、コンセプト立案から設計・施工まで、密な対話を通じて共に方向性を築くことができました。竣工後には「ここで働くのが楽しみ」「フロンティアコンサルティングに依頼してよかった」といった声もいただき、来訪者が会話を楽しむ光景も見られています。企業や空間への親しみや愛着が、着実に育まれていると実感しています。
PROJECT FLOW
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要件整理
日常の自然な会話から新たな価値が生まれるという考えのもと、人が気軽に対話できる空間づくりを目指しました。お客様の空気感とアイデンティティを反映することを軸に、プロジェクトを進めました。
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概念設計
「喫茶文化を感じる、集まりやすく話しやすいオフィスにしたい」というご要望を受け、交流が自然と生まれる空間を検討。社員のエンゲージメント向上と企業への愛着醸成を図りました。
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基本計画
喫茶店の持つ奥行き感と親密さを空間構成に反映。エントランスからラウンジへと導く動線により、明確なコンセプトを空間に落とし込みました。
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実施設計
素材選定や照明計画など細部まで検討を重ね、喫茶店に通じる温かみや居心地の良さを空間全体に表現しました。
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コスト調整
意匠性を損なわず、基本計画の段階からコスト効率の高い仕様へ調整。各スペースの用途や機能に応じた優先順位を明確化し、最適なコスト配分を実現しました。
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環境構築
施工面の詳細について、お客様が早い段階から積極的に関わってくださったことで、施工会社や指定工事会社など関係各社との連携がスムーズに進行。デザイン・施工方法の精度を高めるとともに、工程管理や品質面にも大きく寄与しました。
PROJECT DATA
Client: 名鉄都市開発株式会社
Project: 名鉄都市開発株式会社 東京オフィス移転PJ
Business: ワークプレイス構築
Role: 設計・デザイン / 施工
Completion Date: 2025.02
Size: 1,565㎡ / 176坪
Location: 東京都千代田区
Category: 土地建物の売買・賃貸借・管理・仲介・コンサルティング・評価及び鑑定、住宅地の経営、建築の設計・監理
CREDIT
- 企画立案
名鉄協商株式会社 / 株式会社フロンティアコンサルティング
- プロジェクトマネジメント
株式会社フロンティアコンサルティング
- 設計・デザイン
株式会社フロンティアコンサルティング
- 施工
株式会社フロンティアコンサルティング
- 撮影
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